Perlの選択肢
Mac OS X Snow Leopardには最初からPerlがインストールされていますが、自分でビルドしたり、パッケージ管理システムを使ってインストールしたりと、いくつか他に選択肢があります。
現状のPerl5系列は実装が一つしかないのでどの方法を選んでもインストールされるPerl本体のバイナリは同じですが、Perl本体のバージョンアップのし易さや、モジュールインストールの管理のし易さでそれぞれ特徴が有ります。
ここではMac OS X Snow Leopardで使えるPerlの種類と、その特徴を表1「Perlの種類と入手先」に整理してみました。
| 項番 | Perlの種類 | バージョン | 入手先 |
|---|---|---|---|
| 1 | Mac OS Snow Leopard付属のPerl | 5.10.0(64bit/32bit) 5.8.9(32bit) | インストール済 |
| 2 | MacPortsによるインストール | 5.12.3(64bit) 5.10.1(64bit) 5.8.9(64bit) | MacPorts |
| 3 | ソースからビルドしてインストール | どのバージョンでもOK 最新安定版は5.12.3(64bit) | www.perl.org |
| 4 | ActivePerlによるインストール | 5.10.1(32bit) 5.12.2(32bit) 5.8.9(32bit) | ActiveState |
それぞれのPerlの特徴やメリット/デメリットを見ていきましょう。
- Mac OS Snow Leopard付属のPerl
- メリット
- デメリット
- MacPortsによるインストール
- メリット
- デメリット
- ソースからビルドしてインストール
- メリット
- デメリット
- ActivePerlによるインストール
- メリット
- デメリット
最初からMac OS X Snow LeopardにインストールされているPerlです。
初期状態では64bit版の5.10.0が有効になっていますが、32bit版の5.10.0や、32bit版の5.8.9に切り替える方法も用意されていて、過去との互換性にも考慮されています。切り替え方は以下の記事を参照して下さい。
Perl To The People - Mac OS X Snow LeopardのPerlを切り替えて使う
(当たり前ですが)最初から必ずインストールされているので、事前準備無しにすぐ使えます。また、/usr/bin/perlにリンクされているので、世の中に流通しているスクリプトを動かすと基本的にこのバイナリが使われます。
システムにデフォルトでインストールされるバイナリなのでなるべく使いたいところですが、バージョンを切り替えて使う仕組みが有るとはいえ、インストールされているのは5.10.0と5.8.9のみなのでレンタルサーバやプロジェクトで使っているサーバのPerlのバージョンに確実に合わせる事ができません。
また、CPANからモジュールをインストールすると、/Library/Perl/Updates/配下へインストールされるので、なるべくOSがインストールしたそのままの状態で使いたいという時にもお勧めできません。
それでも以前のMac OS Xと違って、セキュリティアップデートがCPANモジュールと不整合を起こすような事は無いように後からインストールしたモジュールは/Library/Perl/Updates/配下へインストールされる様に配慮されているので、以前ほどは神経質にならなくても良いようです。
Mac OS Xで使えるオープンソースのバイナリパッケージ管理システム「MacPorts」を使ってインストールするPerlです。
5.8系や、5.10系、5.12系といったメジャーバージョン毎にパッケージが用意されていて、メンテナンスリリースがリリースされると、MacPortsのアップグレードコマンドで他のパッケージと一緒にアップグレードする事ができます。バイナリのメンテナンスが簡単にできる所がパッケージ管理システムを導入する最大のメリットです。
インストール方法は以下の記事を参照して下さい。
Perl To The People - PerlをMacPortsからインストールする
MacPortsでも各種CPANモジュールがインストールできますが、メンテナンスが頻繁に行われているとは限らず、CPANにアップされている内容にあまり追いついていないので、結局自分でCPANコマンドを使ってインストールする事になります。Linux系ディストリビューションと比べるとパッケージまできめ細かく面倒を見てくれるわけではないのでモジュールまで含めた使い勝手は今ひとつです。
他のPortsの依存関係で勝手にインストールされるのはしょうがないですが、パッケージがメジャーバージョン単位なのでメジャーバージョンが頻繁にアップデートされる5.12系以降では積極的に使う理由が無くなってきていますね。
自分でソースからビルドしてインストールするPerlです。
(当然ですが...)自分でソースからビルドしてインストールすれば、Perlのビルド条件や、インストールするバージョンを自由に決める事できる点が最も大きいメリットです。
インストール方法は以下の記事を参照して下さい。
Perl To The People - Perlをソースコードからインストールする(基本編)
Perl To The People - Perlをソースコードからインストールする(応用編)
Perl v5.12系は最近リリースされたばかりなのでまだv5.10系を使いたいけどメンテナンスリリース版が使いとか、レンタルサーバに合わせてv5.8系を使いたいとか、人によって使いたいバージョンは様々だと思いますので、ソースからのインストールは一度は試してみて下さい。
(これも当たり前ですが...)ソースからビルドしてインストールする場合、その後のメンテナンスも自分でやる必要が有るので、メンテナンスリリースがリリースされても再度自分でビルドしてインストールする必要が有ります。ビルド条件を忘れずに記録しておく事が必要です。
その代わり、逆に言えばメンテナンスリリースが出たからといって勝手にアップグレードしてほしくない、という要件も満たす事ができるので一概にデメリットというわけでもありませんが。
ただ、最近はperlbrewという便利なコマンドが有るので、ソースからのビルドでもメンテナンスリリースへ対応することが比較的簡単にできるようになりました。
perlbrewを使ったPerlのインストール方法は以下の記事を参照して下さい。
ActiveState社が提供するバイナリパッケージによりインストールされるPerlです。
Perl本体ももちろん、モジュールも独自の仕組みによりコンパイル済のバイナリ形式が提供されるので、Xcodeのインストール無しにインストールできる唯一の選択肢です。
また、利用頻度の高いCPANモジュールを予めバンドルしているので、環境整備が比較的やり易いという点がメリットでしょうか。
WindowsではメジャーなActivePerlですが、Mac OS XではXcodeが最初からOSのインストールディスクに収録されているので、そんなに積極的に使う必然性は無い様に思えます(インストールされるバイナリもユニバーサル版の32bit版ですし)。
お勧めのインストール方法と、バージョン
2010年現在ではperlbrewという圧倒的に便利な選択肢が出てきたので個人のPCにインストールする場合は断然perlbrewによるインストールが最もお勧めです。
サーバ環境として使うならば、やはりソースから自分でコンパイルしてビルドするのが王道でお勧めですね。
バージョンは特に制約が無ければ最新版の5.12.3がお勧めです。
2010/4/30更新:Perl 5.12.0リリース対応。
2010/5/30更新:Perl 5.12.1リリース対応。perlbrewコマンドを追記。
2010/9/17更新:Perl 5.12.2リリース対応。
2010/10/30更新:インストールバージョンのお勧めを追記。
2011/3/12更新:Perl 5.12.3リリース対応。

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